産業における生産活動とそれに伴う産出物の間に存在する関係を示したものが生産関数である.生産関数の前提条件として, 係数が安定していることが挙げられる.しかし, 生きた経済現象から得られる統計値からは安定した係数値が得られることは少ない.生産関数の係数値のとる変化は, 経済システムのもつ可能性によっていると解釈できる.経済状況によっては資本投入量, あるいは労働人口の変動が生じ, 係数の変動が生じることは当然のことである.本研究では, 経済状況のもつ可能性を考慮し産業分析を行うために可能性回帰分析を用いることを提案する.また, 本論文では日本およびアメリカの産業, およびクロスセクションデータを用い日本の産業の特徴を抽出する.
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